仕事や日常生活などでストレスにさらされると、胃酸の分泌をコントロールしている自律神経の働きが乱れて、胃炎の症状を起こしてしまうことがあります。
ストレスによって起きる胃炎は、急性胃炎や慢性胃炎のほか神経性胃炎などの病気がありますが、こういった病気によく効く薬がネキシウムです。

ネキシウムというのは、プロトンポンプ阻害薬と呼ばれるタイプの胃薬になります。
この薬の有効成分となっているのは、エソメプラゾールマグネシウム水和物です。
ネキシウムは飲みやすいカプセルタイプの薬で、経口で服用することによって仕事のストレスによる胃痛や胃炎、胸のつかえなどの症状を改善することができます。

ネキシウムの有効成分であるエソメプラゾールは、胃酸が分泌される最終段階であるプロトンポンプの働きを阻害する作用を持っています。
プロトンポンプというのは胃の壁細胞のなかにある酵素のことで、カリウムイオンを取り込む代わりに胃のなかに酸を分泌する仕組みになっています。
エソメプラゾールは、この仕組みをストップさせることで胃酸の過剰な分泌を防ぐことになります。

胃酸分泌を抑制する薬はほかにもありますが、ネキシウムはそのなかでもとくに胃酸分泌抑制効果の高い薬です。
慢性の胃炎によって潰瘍などが起きている場合にも使用することができます。
ネキシウムを飲んだ場合、胃酸が出過ぎる状態を改善してくれるため、荒れた胃の粘膜がだんだんに修復されていくことになります。

ストレス性胃炎の治療にネキシウムを使用する場合には、1日1回の服用で症状を改善していくことができます。
ただし、胃酸分泌抑制効果が高いため、使用できる期間は8週間までと決められています。
ネキシウムを飲むと数時間経ったころから効果が出始め、その後はほぼ24時間にわたって胃酸の分泌が抑えられることになります。

このように胃酸の分泌を強力に抑制することで胃炎の症状を改善してくれるネキシウムですが、その反面副作用もあります。
では、ネキシウムの副作用や併用禁忌についてどうなっているのでしょうか。

ネキシウムの副作用と併用禁忌

ネキシウムにはいくつかの副作用がありますが、それでも重い副作用が出ることはあまりありません。
この薬の主な副作用としては、下痢や軟便・腹部膨満感や腹痛といった胃腸症状や、頭痛やめまいなどの精神神経症状をあげることができます。
また、まれなケースとして血小板や白血球の減少といった血液疾患の症状が見られるほか、発疹や発赤などの皮膚症状が出ることもあります。
せん妄状態や錯乱などの症状が出る人もいます。

肝臓の良くない人はこの薬の代謝が遅れるため、有効成分の血中濃度が高くなって副作用が強く出ることがあります。
ネキシウムの副作用としては、肝機能障害や劇症肝炎・肝不全なども報告されているので、肝臓に持病がある人は十分に注意して使用するようにしてください。
また、腎臓の良くない人では、間質性腎炎や急性腎不全などを起こす場合もあります。

ネキシウムには併用禁忌となっている薬や、飲み合わせに注意を要する薬がいくつかあります。
アタザナビルやリルピビリンなどのエイズ治療薬といっしょに飲んだ場合、それらの薬の吸収が低下し、逆にネキシウムの血中濃度が高くなってしまいます。
エイズ治療を行っている場合には、原則としてエイズ治療薬のほうを優先して飲まなくてはいけません。

抗凝固剤のワーファリンやシロスタゾール、いくつかの向精神薬や免疫抑制剤、心臓の薬であるジギタリスなどと併用した場合には、それらの薬の作用を高めて副作用が強く出てしまう場合があるので注意してください。
また、健康商品であるセント・ジョーンズ・ワートもネキシウムの効果を弱めてしまうため、併用することは控える必要があります。

また、持病の有無にかかわらず薬にたいするアレルギーのある人は慎重に使用しなくてはいけません。
場合によってはショック症状やアナフィラキシーなどを起こしてしまうこともあります。